AS I WANT

様々なことを "As I Want" (私の好きなように) 考えるブログ。

オススメ航空会社 - その2 (キャセイパシフィック航空)

このエントリーは3,421文字で、約5分で読めます。 

f:id:As-I-Want:20190513185030j:plain

これまで1,000回以上飛行機に乗ってきた実際の体験・経験を基に、私が実際に海外出張・海外旅行の際によく使う航空会社をご紹介するシリーズの第2弾。今回もビジネスクラスのご紹介です。

 

第2弾は「キャセイパシフィック航空」です。

キャセイパシフィック航空の概要

キャセイパシフィック航空は、香港国際空港 (チェックラプコク) を拠点に全世界に路線網を広げる、香港のフラッグキャリアである。元々香港はイギリスの植民地であり、1997年に中国に返還された後も一国二制度で独立した行政機構を有していることから、中国本土とは異なる安全管理や運航管理が行われている。現在は中国系航空会社に分類されるるものの、航空会社のベースはイギリスである。

世界で最も安全な航空会社の1つ。1972年以降、半世紀に渡って墜落事故や死者を伴う重大な事故を起こしていない。かつて香港の空港と言えば、街の上をすれすれに飛んでいく危険な「香港カーブ」が有名だった啓徳空港しかなかったが、その危険な立地にも関わらず重大事故を起こしていないことから、その安全レベルが高いことが窺える。

香港国際空港は年間旅客7,000万人を超えるアジア最大規模の巨大空港で、空港から香港市街までは、機場快線 (Airport Express) で24分でアクセス可能だ。

f:id:As-I-Want:20190513183959j:plain

香港国際空港

機材・座席

キャセイパシフィック航空は香港が拠点であることから、中国本土への路線も実質的に国際線扱いとなるため、国際線専門の航空会社である。そのため小型機は保有しておらず、小型機による近距離便は子会社のキャセイ・ドラゴンが担う。

日本路線は、香港~広島、徳島、福岡、沖縄線がキャセイドラゴンの運航で、キャセイパシフィック航空とはコードシェア (共同運航便) となる。便名がキャセイパシフィックの「CX」でも、機材がキャセイ・ドラゴンの「KA」ということもあるので注意が必要だ。香港~成田、羽田、新千歳、中部、関西、小松線がキャセイパシフィック航空の運航で、羽田線は一部キャセイ・ドラゴン便があり、成田・中部・関西線は台北経由便が存在する。

日本路線は香港からの飛行時間が短いこともあり、旧型機材が投入されるケースも多く、香港~台北成田線ではキャセイパシフィックが所有する航空機の中でもかなり古いエアバス330の初期型が投入される。ビジネスクラスの座席も陳腐なのでガッカリすることがあるが、飛行時間が短くサービスが良いので、許容できる。

f:id:As-I-Want:20190513183950j:plain

古いタイプのビジネスクラスシート

新しい機材や長距離路線では、原則ビジネスクラスはフルフラットシートであり、座席が斜めに配置されたヘリンボーン式の座席配列を導入した航空会社の先駆けである (個人的にはあまり好きではないが)。

f:id:As-I-Want:20190513184008j:plain

フルフラットタイプのビジネスクラスシート

機内サービス

キャセイパシフィック航空の機内サービスは、総じて評価が高い!若くてかわいいCAが多いというのは、いかにもオヤジ臭い評価基準だが、事実なので仕方がない。CAは皆フレンドリーだが厚かましくなく、心配りが良くできているので、機内で過ごす時間は非常に快適だ。特にビジネスクラス担当のCAは明るく、気持ちいいサービス姿勢なので、いつも好感が持てる。

そして機内食は経験上、アジア系の航空会社の中で最も美味しいと言える。さすがは中華圏の航空会社なので味付けは抜群だが、欧米とアジアの結節点である香港の文化と歴史を背景としてフードのバリエーションも多く、洋食メニューも非常に美味しい。日本路線では日本食メニューも提供されるが、味はレベルが高く日系航空会社と肩を並べる (もちろん日本発便の機内食は日系航空会社のケータリング工場で委託製造しているが)。

運賃

香港は、他国に比べて航空燃料にかかるサーチャージが安いので、同じ日付、同じ時間帯、同じ路線、同じクラスであれば、キャセイパシフィック航空の方が安い、というケースが多かった (基本運賃はほぼ同額で、サーチャージの差額で割安になった)。しかし最近は、運賃の差が縮まっており、時々発表される格安キャンペーンも頻度が少なくなった。

昔から香港発券はバックパッカーの定番で、香港発着の航空券はどのエアラインも割安だった。しかし最近は、香港の経済レベルの上昇と、機材やサービスの高品質化が進み、香港発券の割安感はほとんどなくなってしまった。運賃が上昇した分、サービス品質も向上したので、値段相応といったところだろうか。ただ、香港は中国やアジアだけでなく、オセアニア、中東、ヨーロッパへの路線網が幅広く発達しているので、乗り継ぎの利便性と選択肢の多さは他にも勝る。

直近では、香港発東京往復の割引ビジネスクラスが15万円程度で、JAL/ANAと大差ない。より遠方の東南アジア発香港経由日本行きの航空券だと、一部で割安なケースもある。日本発の航空券は、大体どの航空会社も同じ価格帯である。

空港ラウンジ

キャセイパシフィック航空のラウンジは、かなり充実している。拠点となる香港国際空港では、広大なターミナル内に6か所のラウンジがあり、搭乗ゲート近くのラウンジを選ぶこともできるし、施設やサービスが充実しているラウンジを選ぶこともできるなど、選択肢が充実していてありがたい。

特にファーストクラス利用者とワンワールド・エメラルドステイタスを所有した会員のみが立ち入ることができるファーストクラスラウンジは、ゆったりとした空間で至れり尽くせりのサービスを享受できる。

キャセイパシフィック航空ラウンジの名物は、「ザ・ロングバー」と「ザ・ヌードルバー」である。バーテンダーがカクテルを作り、ダイニングではオーダー形式でホットミールが提供される。まるで高級ホテルのレストランである。

こうした充実したラウンジは、大抵の航空会社では本拠地となる空港でのみで提供されているが、キャセイパシフィック航空の場合は、台北、羽田にもある。残念ながら成田空港のキャセイパシフィック航空ラウンジはしょぼい。

ちなみに香港国際空港では、到着後、入国審査と手荷物受取の後、一般エリアに到着ラウンジがある。乗り継ぎの合間やアクセス手段の待合時間に利用できる。

安全性

冒頭の説明の通り、キャセイパシフィック航空は世界で最も安全な航空会社の1つである。幅広い路線網で毎日多数の便を運航していながら、半世紀に渡って重大事故を1件も起こしていないことは、絶対的な信頼になる。

アジアではサービスに定評のあるシンガポール航空よりも安全性は高く、乗務員のスキルも申し分ない。旅慣れていない人、海外航空会社の利用が初めてという人でも安心して利用できる。

要注意ポイント

キャセイパシフィック航空マイレージサービスは「Asia Miles」である。JALと同じワンワールドに加盟する航空会社で、JALのマイルで特典航空券を利用することもできる。それ以外の利用方法としては、アメリカンエクスプレスのカードポイントがAsia Milesのマイルに交換できる (日系航空会社とは異なり交換手数料が不要)。

ただし、便ごとに設定されている特典航空券向けの座席枠が圧倒的に少なく、使いたいときに使えない、という評判もよく聞く。また香港拠点の航空会社のため、すんなり手続きが済めば問題ないが、空席の確認や特殊なルートでの特典航空券手配などの際には、詳細な手続きをすべて英語で行う必要がある点は注意が必要だ (一応日本支社でも対応しているようだが、即時回答してくれないので使い勝手が悪い)。

なお、Asia Milesでは「同伴者特典」があり、ビジネスクラス運賃のチケットを1人分購入すれば、同じ便を利用する同伴者の航空券が割引マイルで獲得できる、というものであるが、この同伴者特典枠も制限があり「1人分の航空券を購入したが同伴者分の特典枠に空席がない」というケースも多いので、注意が必要だ。

総合評価

独断により、キャセイパシフィック航空に対する個人的な評価を行った。

キャセイパシフィック航空の得点は82点

f:id:As-I-Want:20190513182443p:plain 

就航地の( )内の都市は、キャセイ・ドラゴン運航によるコードシェア便

機材、座席、機内サービス、運賃、安全性など、計10項目での採点で、各項目10点、合計100点満点での評価です。ビジネスクラスでの搭乗経験に基づきますので、その点ご容赦ください。